【報告】教員はLGBTを認識しているのだろうか?6000人の意識調査

100部用意した資料がすべてなくなり、追加コピーするほど参加がありました。
日高庸晴さん(宝塚大学看護学部准教授)からはこれまでのゲイ・バイセクシュアル男性とHIVについての調査をご紹介頂き、その結果と分析から学校教育の重要性を感じ今回の教員調査に取り組んだ経緯をお話し頂きました。ゲイ・バイセクシュアル男性が学校でほとんど肯定的な知識を得られていないこと、またいじめ経験や自尊心の低さとHIV感染やリスキーな行動に相関が見られることなどをあげられ、教育現場でできることがもっとあるのではないかとのことでした。せっかくHIVについての授業をしても、普段からホモネタを言うような教師の話すことは、聞きたくないと思っているLGBTの生徒の耳には届きません。大人になってからHIV予防の実際に知るようになっても、それを行動にできるかどうかは、その時の孤独感が強ければ相手との関係に左右されてしまいます。学童期から、LGBTについての正しい知識を提供し、自己肯定感をもって成長することができれば、リスキーな行動を回避できるのではないか、そのためにまず、教員から正しい知識を得られるようにしていく必要がある、そのようなお話もありました。

教員5,979人を対象に調査の結果は、まとめられてリーフレットになっており、参加者全員に配られました。「子どもの“人生を変える”先生の言葉があります。」というタイトルは、多くの教員の注意を引くのではないでしょうか。「LGBTについて学校で教える必要がある」と思っている先生は全体の6割を超えていたり、「性の多様性について学ぶ研修があれば参加したいかどうか」には6割を超える先生が参加を希望しています。実際にLGBTの生徒にかかわったことがある先生は1割程度でしたが、自分自身が知る必要があるし、学校でも学ぶべきことだと認識する先生は増えてきているようです。喜ばしいことです。
この調査実施をするにあたっては、各自治体に協力を要請する過程でのご苦労もあったようで、行政が積極的に取り組む課題として認識してほしいと願います。このリーフレットが全国の学校に行きわたることを願います。

会場では、いじめの時期について、小中高の内いつのいじめ体験が多いのかという質問や、HIVについての学校教育の在り方が、大人になってからの恐怖心などに影響しているのではないかという意見など、参加者からの声もたくさんありました。会場には学校関係者やメディアも来ており、この調査報告が多くの人に知ってもらえたら、LGBTの子どもたちの状況は改善されるのではないかと期待が膨らみました。日高さんの研究は、研究室や学術界のみで留まらず、私たちが生きている現場にダイレクトに影響を与える研究だと思います。事実、これまでのLGBT運動の足元を確かなものにしてくれました。今後も引き続き、現場を変える調査研究をしていってほしいと期待して、応援しています。

(大会実行委員会スタッフ)

【参加者アンケートより】

●まず、同じ教育に関わる人達でLGBTについて関心を持っている人達の顔が見れて勇気をもらった!自分も頑張る!

●この分科会をきいていて、医療・福祉・教育の連携の重要性を認識できたように思います。
私は、自分がバイかなと思っています。HIVの調査が出発点ということもあり、ゲイ・バイ男性への調査結果中心で少し残念に感じた点もありましたが、当事者の抱える抑うつ・不安・●●●・診察などに関し、共感するところが多く、涙が出そうになりました。
これからもぜひ、教員向けへの講演や教員志望者にも広めてほしいです。なんでもかんでも伝えることは不可能だとは思いますが、セクシュアリティには揺らぎもある、ということも話してほしいと思いました。ありがとうございました。

●以前も日高先生のお話しを聞かせて頂く機会がありました。もう一度聞きたい!調査の結果を知りたい!と思っていたので、今日A4のリーフレットをもらえたので本当によかったです。
私自身、養教で色々学んでいる最中で、今日のデータも交えてこれから頑張りたいと思いました。市内の養教の先生にも今度知ってもらおうと思います!

●勉強になりました。自分が色々なことをちゃんとわかっていなかったことが明らかになりました。研究のデータの力(パワー)ってすごいと思いました。もっとセクシュアルマイノリティについての理解を深めて、色んな人に分かり易いように伝えていければいいなと思いました。

●教員対象の初の大規模調査ということで、ずっと今日を楽しみにしていました。お話しをきけてよかったです。

●セクシュアルマイノリティであることは、その人自身の自尊心を低下させるということに限らず、恋愛や自身の生活について、友人達と語り合うという所属欲求を満たせないということにもつながるということが再認識できました。そのためにも意図的に子供たちに関わっていかなくてはいけないのだと思いました。ありがとうございました。

●調査データも期待通りだったし、周辺のお話しもとてもよかったです。日高さんのような方が粘り強く実態を明らかにしていって下さることが社会を変える大きな力になっていると深く感謝しています。
Q&Aについてひとこと。
私はHIVと人材・情報センターのメンバーとして活動し、個人でも中高に一般的(HIV/AIDに特化でないということ)な性教育に行っています。必ず、多様な性について話しています。その中で、HIV/AIDについて「怖い」と思うことは「自分を守りたい」という気持ちから出ている。あなたは自分を大切に思っているんだね、と話します。その上で、AIDS=死は古いイメージであること、コントロールできる状態にあること、それでも症状がないのに薬を飲み続けることの困難を話し(風邪で熱が下がると四日目の薬を飲むのを忘れるのを例に)コンドームの使い方を具体的に(実演)話します。一般的に否定的な感情と言われているのを自己肯定感に結び付けていくことは重要と思っています。

●データからのゲイ男性の現状をエイズと絡めて話して頂きありがとうございました。数から推定される日高さんの話される様子は、現実に近いことだろうと思いました。学校現場にいる者として、やはり、できることをしていくという役割の大きさを感じました。今年度中に、学年(中学二年生)の生徒に授業実践しようと思います。LGBTに関する構内の職員研修はこの8月に行いました。今日もらったパンフは教育委員会と組合の代表として話す時に活用させてもらおうと思います。

●大学でジェンダー研究のスタッフをやっています。学生支援室のカウンセラーに、どのようにLGBTに関して働きかけていけるのか課題に感じていたので、日高さんのお話がきけて、参考になりました。

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